思い出もっと、 とっておき体験 多度津町

旧武家屋敷「家中舎」で料理や居合体験、グルメ、宿泊も!

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居合をしたり出汁の取り方を学んだりする体験ができて、写真映えする絶品グルメが食べられ、宿泊もでき、夜はバーも楽しめる!?さまざまな楽しみがぎゅっと詰め込まれた多度津町の旧武家屋敷「家中舎」。

約190年の歴史。多度津町の「家中舎」とは?

香川県の人気観光地・金刀比羅宮(こんぴらさん)がある琴平町から車で20~30分ほどで行ける多度津。
 
多度津町には江戸時代、多度津藩が置かれ、合田邸、林求馬(はやしもとめ)邸を始めとした歴史ある建物が点在し、金刀比羅宮への参拝客が訪れる港町としてにぎわいました。
 
そんな時代の名残を感じさせるのが、JR多度津駅から徒歩約10分で行ける「家中舎」。少し古びた白壁と瓦屋根の門が、旧武家屋敷としての風格を感じさせます。
「家中舎」が建てられたのは、江戸時代後半の1827年。当時の主は、多度津藩の家老の位にあった武士と見られています。「家中」とは、大名の領地や、大名に使える武士を指す言葉だったのだとか。
 
残念ながら、具体的にどのような家系だったのか、詳しい資料はほとんど残っていません。それでも、現存する屋敷は、当時の持ち主の繁栄ぶりを忍ばせます。
「家中舎」の庭には、飛石があちこちに配置されているほか、「つくばい」や石灯篭、井戸、小さい池が設けられています。美しい意匠が凝らされた庭は、相当な財力があったことの証でしょう。
 
庭には、桜やモミジなど、さまざまな樹木も植えられており、四季折々、多彩な表情を見られます。

結婚式場としてスタート

「家中舎」の運営の中心となっているのは、水口浩仁さんと三木佳代さん。
 
水口さんはもともと結婚式を撮影するカメラマン、三木さんは結婚式場のプロデューサーでした。結婚式のプロとして、二人には「少人数での心のこもった結婚式」を提供したいという想いがかねてからありました。
 
そんな中、多度津の地域活性化にも携わっていた三木さんは、「取り壊し予定の武家屋敷があるが、何かに使えないだろうか」と相談を受けます。そして、三木さんは水口さんを伴い、「家中舎」の見学に行きました。
(写真:家中舎提供。結婚式時の宴会場の様子)
 
長年人が住んでいなかったため、「家中舎」は当時、荒れ放題だったとか。しかし、「ここでなら、理想の結婚式を提供できるかも」と可能性を感じ、二人は「家中舎」の家と土地を購入することを決意します。
 
そして2018年、「家中舎」はまず、結婚式場としてオープンしました。
 
もっとも、水口さんはカメラマンの仕事の傍ら、裏千家の師匠のもとで10年以上茶道を学んだり、京都の老舗料理店で修行したりと、さまざまな技能を身に付けています。そんな彼により、「家中舎」ではその後、多彩なコンテンツが追加されていきました。
 
「日本の伝統文化を体験したい」
「和食グルメが食べたい」
「夜は雰囲気のいいバーで飲みたい」
 
いまや、そんなさまざまな願いも叶えられる場所となった「家中舎」。その魅力には、大きく分けて4つのポイントがあります。

家中舎の楽しみ方1 料理体験に居合、三線も!盛りだくさんのアクティビティ

「家中舎」では、水口さんや彼の知人が講師となり、さまざまな体験教室を開催しています。
現在のイチオシは出汁教室
 
水口さんは京都の茶懐石※の老舗店で修業し、本場の京都料理を学んできました。ここでは彼の経験を生かした、京都風の出汁の取り方を学べます。
 
※茶懐石……茶道において、茶会の前の腹ごしらえとして食べる食事。
京都では、昆布とカツオ節を両方使い、出汁を取ります。体験では、どちらをどのくらいの時間煮出すかなど、さまざまなことを学べます。
 
うどん、お吸い物、味噌汁……。さまざまな料理に生かせる出汁。学びが面白いのはもちろん、自宅に帰ってからも役立ちます。
(写真:家中舎提供)
 
こちらは居合。香川にいる無双直伝英信流の講師が、居合をする際の呼吸や、抜刀の方法を教えてくれます。さらに「家中舎」では武士のコスプレもできます。武士の格好をして居合をやってみたら、江戸時代にタイムスリップした気分になるかもしれません。
(写真:家中舎)
 
こちらは三線(さんしん)。沖縄の伝統楽器です。水口さんの知人で、地元でステージイベントなどでも活躍されている方が講師をしているとのこと。

このほか、写経、着物の着付け、茶道などのさまざまな体験ができます。料金はそれぞれ税込3,000~7,000円程度。
 
水口さんたちには、「家中舎」を通して、日本文化の継承や、外国人観光客が日本文化に触れるきっかけつくりをしたいという想いがあります。実際、海外からの旅行客が訪れて茶道や三線を体験し、大好評だったのだとか。
 
水口さんや三木さんたちのフレンドリーな雰囲気もあり、外国人、伝統文化に触れたい日本人、どちらにも「家中舎」の体験はおすすめです。

家中舎の楽しみ方2 写真映え間違いなし!茶懐石の創作料理

(写真:家中舎提供。夜膳 行<ぎょう>)
 
前述の通り、水口さんは京都の老舗料理店で茶懐石の料理を学んできました。この経験を生かし、「家中舎」ならではのオリジナル料理を「夜膳」「昼膳」として提供しています。
 
夜膳は、「草-そう」、「行-ぎょう」、「真-しん」の3コースがあります。料金は、税別5,500~10,000円程度。出される料理は、季節ごとに変わります。
 
水口さんのカメラマンとしての経験を生かし、料理はスレートプレートの上に美しく盛り付けられています。中には、食べられる花で器を飾ったりもすることもあるのだとか。「インスタ映えする」と評判も高く、20~30代のカップルやグループからの予約も多いそう。
(写真:家中舎提供)
 
こちらは昼膳「瀬戸の手織り たなごころ」(税込2,750円)。手軽に「家中舎」の料理を味わうのにおすすめです。こちらも季節ごとに料理の内容は変わります。
 
なお、茶懐石は茶会の前の軽い腹ごしらえのためのシンプルな料理です。しかし、水口さんは、「『家中舎』の昼膳、夜膳は、家族のパーティーなど“ハレの日”に楽しめる料理にしたい」と、京都風の出汁の取り方や季節感の出し方など、茶懐石を通して学んだことを随所に生かしながら、肉や魚も積極的に使い、お祝いの日にふさわしい豪華なオリジナル料理を創り出しました。
 
そして茶道における「一期一会」の精神を踏まえ、心を込めた料理を味わってほしいという想いから、「昼膳」「夜膳」ともに完全予約制としています。

家中舎の楽しみ方3 ゆったりとした時間に浸る宿泊

旧武家屋敷「家中舎」の魅力を存分に堪能したければ、宿泊もおすすめです。
 
宿泊は、8畳の部屋と6畳の部屋の二間続きとなっています。8畳の部屋からは、庭が見えます。ここから庭の木々や花を眺めれば、日々の仕事に疲れた心も癒されそう。
6畳の部屋の方には、足元で練炭を燃やして温める形式の、古い掘りこたつがあります。こちらは、大正時代に作られたと推測されるとのこと。
「家中舎」の建物には、25年ほど前までは人が住んでいました。そのため、武家屋敷の外観を保ちつつも、室内には電灯が取り付けられたり、お風呂場が新しくなったりと、時代に合わせてさまざまな改修がされてきていますが、そこにもどこか、ノスタルジックな雰囲気が感じられました。
 
こうした「家中舎」の宿泊棟の中にいると、自然と心もゆったりとしてきそうです。

家中舎の楽しみ方4 夜はバーを展開

「家中舎」では2020年8月、蔵を改装した「蔵Bar」をオープンしました。外装はなまこ壁(※)、内部は土壁と漆喰の古い建物の中で、お酒やノンアルコールカクテルが楽しめます。
 
他にも食事メニューとして、カレーやボロネーゼパスタ、自家製パンを使ったサンドウィッチなども提供しています(日によって変更の可能性あり)。
 
※なまこ壁……火災や風雨から建物を守るため、漆喰を使って瓦を埋め込んで補強した壁。瀬戸内海周辺では岡山県の倉敷の土蔵群や広島県の西条酒蔵通りの酒蔵などでも使われている外壁の工法として有名。
「香川には、若手アーティストが作品を発表できる場所が少ない」。かねてからそう思っていた水口さん。「蔵Bar」の中には、親交のある若手アーティストたちの作品を飾り、来店者が見て楽しめるようにしています。これらの作品があるため、店内がスタイリッシュに感じられますね。アートは、購入も可能。
なお、新型コロナウイルスの影響により2021年1月現在、「蔵Bar」の営業は不定期になっています。行く前に電話やSNSで営業予定を確認し、事前予約をするとよいでしょう。

今後にも期待

グルメ、宿泊、バー、そして多種多様なアクティビティと、さまざまな楽しみがある「家中舎」水口さんは焼き物も勉強中だそう。今後、さらに楽しみが増えそうです。

多度津の周遊もオススメ!

(写真:香川旅帖「多度津の繁栄を今に伝える合田邸」)
 
江戸時代は城下町、港町として栄え、明治時代には四国鉄道発祥の地として栄えた多度津町には、当時の繁栄ぶりを伝える商家のひとつ「合田邸」など、見どころが多くあります。

【参考】香川旅帖「多度津の繁栄を今に伝える合田邸」
 
個性的なスポットが点在する多度津。「家中舎」に来るときには、ぜひ一緒に周遊してみてくださいね。
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家中舎
住所   香川県仲多度郡多度津町家中4−25
電話番号 0877-35-8765 ※受付は10:00~20:00
基本料金  体験は3,000円~。昼膳は税込2,750円、夜膳は税抜3,500円~。宿泊は2人税込14,960円~
※体験、食事、宿泊は事前予約が必要
https://kachusha423.jp/
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https://www.instagram.com/kachusha423/ (Instagram)
https://www.instagram.com/kura_bar2020/ (蔵Bar Instagram)

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