思い出もっと、 とっておき体験

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開耶香房(さくやこうぼう)で苔玉づくり
香川県は日本一の松盆栽の産地。盆栽はやってみたいけど、ちょっと難しそう…。そんな時はまず「苔玉」から始めてみるのがお勧めです。高松市国分寺町の「開耶香房(さくやこうぼう)」では、1年を通じて苔玉づくりが体験できます。

小高い丘の上にある「開耶香房」は、長閑な田園風景に囲まれた山腹にあります。人里離れた静かなところです。

「開耶香房」では、苔玉づくりのほかガーデニングや自家発酵のピザ・パンづくりなど、様々な農村体験が楽しめます。

教えてくれるのは、苔玉インストラクターの橋本佑介さん。橋本さんは家業の盆栽栽培を継ぎ、現在は山野草の生産者として市内のホームセンターへ出荷する傍ら、平成17年にグリーン・ツーリズムインストラクターの資格を取得し、「開耶香房」をオープンしました。
ちなみに、「開耶」とは、古事記に登場する女神「木花之開耶姫(このはなのさくやひめ)」にちなんでいるそうで、高松市内ながらひっそりとした雰囲気は、どこか神話の世界を彷彿させます。

たくさんの山野草のほか盆栽作品もあり、見ているだけで癒されます。春になると辺りにはたくさんの花が咲き、一気に賑やかになります。

では、早速苔玉づくりを体験。まずは、苔玉にしたい植物を選びます。ユリ科のチューリップ、ユリなど球根が発達する植物をのぞき、どんな植物でも苔玉に仕立てることができるそうです。
たくさんあって迷いますが…

常緑で比較的育てやすい黒松に決めました!この苗木で3年ものくらい。

苗木には、幹にすでに針金を3年ほどかけています。こうして色々な形に成形することを「模様」をつけるというそうです。

いろいろな「模様」の中から、橋本さんの「自分の好みで」というアドバイスで、変化に富んだ、細幹のおしゃれな文人風の苗木をチョイス。ほかに、幹がどちらかに傾いた「斜幹(しゃかん)」という形の苗木もありました。

材料は植物のほか、ケト土と苔。ケト土は、葦や蓮など水辺の植物が枯れて水の底にたまり、長い年月をかけて粘土状になったものです。水持ちがよく栄養豊富、苔玉には盆栽用の赤玉土をブレンドして使います。

STEP1:土を取り除く
まず植物を鉢から取り出して、土を取り除きます。

STEP2:ケト土をつける
次に丸めたケト土を、根っこ部分に伸ばしながらつけていきます。この時、根と根の間を、すき間なく土で埋めていくのがポイント。根は土についていないと、成長せず幹化してしまうそうです。

全体にケト土を貼り付けたら、球形に整えていきます。
ポイントは根と土との境を指で押さえ、丸くすること。苔玉は球体の直径が大きいほど管理しやすいのですが、小さい方が美しく仕上がるとのこと。「どちらをとりますか?」と聞かれて、「美しさで!」と即答。直径6~7㎝ほどに仕上げると、松とのバランスが良くなりました。

STEP3:苔を巻く
球の大きさが決まったら、さらに土のまわりに苔を貼りつけていきます。手で大きめにカットした苔を底に貼ってから、側面をざっくりと覆っていきます。

土が見えないよう、全体に苔を貼り付けたら最後に糸を巻いて仕上げていきます。

STEP4:糸を巻く
黒い木綿糸でまずは縦方向にひと巻き。その後、縦方向にそのまま4回ほど巻き、苔玉を90度回してさらに4回ずつ縦方向に巻いてきます。巻き終わったら角度をずらしながら同じ作業を3セット繰り返し、きれいな球形に近付けていきます。

このように、糸がすべて底でクロスするように巻き、底面で糸をカットして完成。

なかなかのクオリティに満足。悦に入っていると「戸外で管理して、水やりだけは忘れないようにね」と橋本さん。このままでもいいし、針金をかけて好みのカタチに仕立ててもいいというので、トライしてみました。

針金を木との間に隙間ができないように巻いて、ゆっくりとねじるように幹部分を下へ曲げていきます。針金をつけたまま1年くらいすると、「半懸崖(はんけんがい)」という樹形になっているはず。

「半懸崖」とは、盆栽や苔玉の樹形の一つのこと。幹が斜め下方向へ曲がっているような樹形で、鉢底よりは先端部が上にある形です。

これからの成長が楽しみで仕方ありません。

本格的な盆栽は敷居が高いイメージですが、苔玉づくりはサイズも小さく、気軽に楽しむことができました。気に入った植物を選び、土にふれるひとときは、ほっと心が癒される時間でした。

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開耶香房(さくやこうぼう)
※苔玉づくりは電話またはホームページから要予約。同施設のほかJA香川県国分寺盆栽センター(2020年4月以降は「高松盆栽の郷」)でも体験できる。
営業時間 10:00-18:00
定休日  月・祝
住所   香川県高松市国分寺町新居2553-2
電話番号 087-813-5287

所要時間 30~60分  
体験料金 植物代+700円

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