アートに触れる 善通寺市

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金刀比羅宮にお参りしたら、ぜひ一緒に行ってみたいのが「灸まん美術館」。香川県出身の画家・和田邦坊さんの作品を常設展示している美術館で、併設のカフェは金刀比羅宮のある象頭山(ぞうずざん)を眺めながらお茶やスィーツが楽しめ、ゆっくりくつろげると人気です。
「灸まん美術館」へは、高松自動車道善通寺ICから車で約10分、JR琴平駅から徒歩約20分で到着します。国道319号線沿いに建つ白い建物が目を引きますね。
まずは「和田邦坊(わだくにぼう)画業館」へ。和田邦坊(1899-1992)さんは戦前・戦後にかけて活躍した琴平町出身のマルチクリエーター。新聞漫画や小説、商業デザインに絵画など、多彩な分野で才能を発揮しました。琴平町のお土産として有名な「灸まん」のパッケージも和田邦坊さんのデザイン。その他にも「名物かまど」や「山田家うどん」などのパッケージをはじめ、紙袋や箸袋まで、現在でもかがわ県民におなじみのデザインを多く手がけています。だからあなたも知らず知らずのうちに和田邦坊さんのデザインに出会っているかもしれません。
館内を案内してくれたのは同館の学芸員・西谷美紀さん。和田邦坊さんの多彩な活躍に興味を持ち長年研究を重ねられていて、和田邦坊さんの作品について詳しく解説していただきました。
「名前は知られていないけれど、香川には和田邦坊さんの作品があふれている、それが和田邦坊さんの面白さ」と西谷さん。「ある意味、デザイナーとしてあるべき姿なのかもしれませんね。」
館内には絵画はもちろん、和田邦坊さんのデザインしたパッケージやその原画、陶器、人形、映画化された小説の本など様々な作品が展示されていて、改めて和田邦坊さんの多才ぶりに驚かされました。
 
和田邦坊さんの作品に触れた後は、併設されている「カフェコンピーラ」へ。
目を引くのは大きなガラス窓の外に広がる景色。金刀比羅宮のある象頭山(ぞうずさん)を一望できる抜群のビュースポットです。
おすすめは「灸まん特製ぜんざい」。大納言小豆をぜいたくにたっぷり使った特製ぜんざいは、優しい甘さでほっとさせてくれる味。注文がはいってから焼いてくれるお餅の相性も抜群です。
ぜんざいに添えられているのは、「こんぴら名物 名代灸まん」。このお菓子は、「こんぴら堂」が昭和30年代に、地元出身の和田邦坊さんに、「本物のこんぴらのお菓子を作りたい」と依頼して生まれました。三角形のお山のような形のおまんじゅうは、実はお灸の形。「こんぴら堂」は、元々こんぴら参りのお客さんのための旅籠でした。昔、旅籠ではお客さんにお灸を据えるというサービスをしていたことから、和田邦坊さんがお灸の形を提案したそうです。西谷さんによると「『灸まん』の箱に入っている栞の文章も和田邦坊さんが創作しているのでお見逃しなく。落語のような面白いショートストーリーが綴られています。」とのこと。こんぴらさんのお土産として有名なおまんじゅうです。実は「灸まん美術館」はその販売元の「こんぴら堂」さんが運営している美術館。灸まんはこちらで購入することもできます。
もうひとつのおすすめが「リンゴのケーキ」。カスタードをキャラメリゼしたタルトケーキで、砂糖漬けしたリンゴとカスタードのハーモニーに、魅了されるお客さんも多いのだそう。こちらのケーキにも「灸まん」が付いています!
 
また館内には高瀬町出身の陶芸家・大森照成氏の作品が常設展示されている「大森照成陶芸館」や、地元作家の個展やグループ展を開催している「灸まん美術館ギャラリー」があり、そちらも魅力的な展示を観ることができます。香川県出身アーティストの作品に触れ、カフェでまったりくつろげる「灸まん美術館」をぜひ訪れてみてください。
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灸まん美術館
営業時間 9:00-17:00(画業館の入館・カフェのラストオーダーは16:30まで)
定休日  水曜日、年末年始
住所   香川県善通寺市大麻町338
電話番号 0877-75-3000
https://kyuman.art
 
入館料     和田邦坊画業館 一般500円、65歳以上・障がい者手帳等をお持ちの方300円、小中高大生無料、大森照成陶芸館・灸まん美術館ギャラリー・カフェは入館無料

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