心ほぐれるのんびり島旅 丸亀市

サイクリングで巡る本島

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丸亀の沖合に浮かぶ本島は、その昔、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康ら時の権力者に認められ、全国にその名を馳せた塩飽(しわく)水軍の本拠地になった島。江戸時代には幕府直轄の天領になり、島内には島の歴史を物語る建物が多く残されています。またすぐ東側にある瀬戸大橋の眺めも格別。今回は島の見どころをレンタサイクルで巡ってみました。
本島行きのフェリーに乗るため丸亀港へ。JR丸亀駅から乗り場までは徒歩約10分です。
「ほんじま丸」に乗船。車も乗れるカーフェリーです。
 


 
  • 村尾かずこ「漆喰・鏝絵看板プロジェクト」

    村尾かずこ「漆喰・鏝絵看板プロジェクト」

フェリーの客室でかわいらしいオブジェを発見。これは瀬戸内国際芸術祭2013から参加しているアーティスト・村尾かずこさんの作品。デフォルメされた鯛とタコが印象的ですね。村尾さんの作品は今も本島に展示されています。
本島までの船旅は約35分。あっという間に島が近づいて来ました。
 
島に到着したら、港のすぐ横にある本島汽船待合所へ。レンタサイクルはこちらで借りることができます。利用申請書に必要事項を記入して受付へ。
レンタサイクルは普通の自転車と電動アシスト付きの2種類。島内はアップダウンがあるということなので、今回は電動アシスト付きを選びました。

 
待合所で島内の観光MAPをゲット。このMAPを頼りに島内を回ることにします。まずは歴史的な街並みが保存されている笠島(かさしま)地区へ向かいます。
自転車で5分ほど走ったところで、時代劇に出てくるような立派な長屋門が。こちらは「史跡 塩飽勤番所跡(しわくきんばんしょあと)」。江戸時代に本島周辺の塩飽諸島を治めていた場所で、明治以降も1972年まで役場支所として使われていたのだそう。建物の中には織田信長・豊臣秀吉・徳川家康から与えられた朱印状や海路図、塩飽の船乗りが数多く乗り込んだ咸臨丸(かんりんまる)ゆかりの品々などの貴重な資料が展示されています。
  • 齊藤正×続・塩飽大工衆「善根湯×版築プロジェクト」

    齊藤正×続・塩飽大工衆「善根湯×版築プロジェクト」

道が左に大きくカーブした先に瀬戸大橋が見えてきました。手前右側にある土壁の建物は、瀬戸内国際芸術祭2013の作品「善根湯(ぜんこんゆ)×版築(はんちく)プロジェクト」。土を突き固めて積み上げていく「版築(はんちく)」という技法が使われています。
自転車を停めて堤防の上から瀬戸大橋を眺めます。斜張橋を中心に180度ぐるりと見える瀬戸大橋のパノラマは圧巻。
 
さらに進むと港のある集落が見えてきました。あの場所が目的地の笠島地区です。
笠島地区入口に到着。入口の石碑は、島の生ノ浜にある2つの倉がくっついた「夫婦倉」の形をしていました。
 
集落の中に入ると白壁の旧家が立ち並んでいて、まるでタイムトリップしたかのようです。網の目のように張り巡らされた細い道沿いに建物が100棟以上あって、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。江戸時代から戦前にかけて建てられた建物を手がけたのは「塩飽大工(しわくだいく)」と呼ばれる名工たち。塩飽水軍の船大工の流れを汲む高度な技を、建物の様々な場所に見ることができます。
笠島地区のメインストリートは「マッチョ通り」と、ちょっと変わった名前。マッチョな人が多いのかと思いきや「町通り」がなまったものだそう。

 
こちらはマッチョ通りにある「吉田邸」。見学ができるのでお邪魔しました(要予約)。
築100年の建物の中では、いたるところで塩飽大工の技を見ることができます。天井の木組み1つ取っても、現在の技術では再現が難しいのだそう。
 
欄間にはなんと刀の鍔(つば)が埋め込まれていました。
床の間に掛けられていたのは伊藤若冲(いとう じゃくちゅう)の掛け軸。
 
奥の床の間に飾られているのは円山応挙(まるやま おうきょ)の作品。その他にも貴重な品々が数多く展示されていて、まるで美術館のようです。
案内をしてくれたご主人の吉田稔(よしだ みのる)さん。現在もこのお家の2階に住まわれているそうです。

 
吉田邸を出て笠島地区をしばし散策。建物の土台や石畳に使われているのは、かつて島で採掘され大阪城築城にも使われた花崗岩(かこうがん)。石の産地になった近隣の島々は日本遺産「せとうち石の島」に認定されています。
笠島地区を出て海沿いを進みます。瀬戸大橋を横目に見ながら走ります。
さらに進むと坂がキツくなってきましたが、電動アシスト付きなので立ちこぎをしなくても登れます。
坂の頂上で分かれ道の方へ進みます。目印がないので通り過ぎないよう注意。

 
その先にあったのは、遠見山展望台(とおみやまてんぼうだい)へ続く登り口。ここで自転車を降りて15分ほど山を登ります。
登山道の中には、大きな亀のように見える石がありました。ここまで来たら展望台はもう少しです。
ようやく展望台に到着。視界が開けると同時に爽やかな風が吹き抜けて、登山の疲れも吹き飛びます。瀬戸内の多島美と瀬戸大橋を端から端まで見渡せる眺めも最高で、頑張ってここまで来て良かったと思えるはず。

 
登り口まで戻って下り坂を進むとお寺がありました。案内MAPによるとここは「長徳寺(ちょうとくじ)」さん。お寺の中に珍しい木があるそうなので立ち寄ってみました。
それがこの「モッコクの木」。⾹川県の保存⽊に指定されている樹齢450年以上のこの木は、太い枝が幾重にも別れながら四方八方に広がっていて、モッコクの中でも非常に珍しい姿をしています。お寺自体も歴史が古く、平安時代から続いているそうです。
 
  • 村尾かずこ「漆喰・鏝絵かんばんプロジェクト」

    村尾かずこ「漆喰・鏝絵かんばんプロジェクト」

  • 村尾かずこ「漆喰・鏝絵かんばんプロジェクト」

    村尾かずこ「漆喰・鏝絵かんばんプロジェクト」

来た道を戻ってフェリー乗り場を過ぎ、今度は泊海水浴場方面へ向かいます。すると民家の軒下にカラフルな看板のようなものを見つけました。
これはフェリーの中にあった、村尾かずこさんの瀬戸内国際芸術祭2013から参加の作品「漆喰・鏝絵(しっくい・こてえ)かんばんプロジェクト」。鏝絵(こてえ)とは漆喰を使って作るレリーフのことで、本島に残る言い伝えや昔話を題材に島が賑わっていた頃の様子を図案化しています。案内図によるとこの周辺に何個も作品があるそうなので、辺りを散策しながら探してみました。
 
  • 眞壁陸二「咸臨の家」

    眞壁陸二「咸臨の家」

近くにもう1つ瀬戸内国際芸術祭の作品を発見。こらちは瀬戸内国際芸術祭2016の「咸臨の家」。咸臨丸の水夫だった横井松太郎氏の生家が、色鮮やかなモザイクで彩られています。
※外観のみ、常時ご覧いただけます。

 
  • 村尾かずこ「漆喰・鏝絵かんばんプロジェクト」

    村尾かずこ「漆喰・鏝絵かんばんプロジェクト」

こちらの鏝絵は、島内で毎年3月の第3日曜日に行われている「塩飽本島マイペースマラソン」(新型コロナウイルス感染症の影響で開催延期中)がモチーフ。
そのお隣にあった「木烏(こがらす)神社」には、上部の笠木の両端が丸く盛り上がった独特の形の鳥居が。鳥居の材料はもちろん花崗岩です。
本殿の左側にある建物は「千歳座(ちとせざ)」。江戸時代に立てられた芝居小屋で、普段は公開されていません。現在は年に2回、盆踊りと塩飽本島合同⽂化祭に舞台の扉が開きます。
 
  • 村尾かずこ「漆喰・鏝絵かんばんプロジェクト」

    村尾かずこ「漆喰・鏝絵かんばんプロジェクト」

  • 村尾かずこ「漆喰・鏝絵かんばんプロジェクト」

    村尾かずこ「漆喰・鏝絵かんばんプロジェクト」

  • 村尾かずこ「漆喰・鏝絵かんばんプロジェクト」

    村尾かずこ「漆喰・鏝絵かんばんプロジェクト」

他にも様様なデザインの鏝絵がありました。歩いて探すのにちょうど良い広さに散らばっているので、宝探し感覚で楽しく探せるのがいいですね。
木烏神社の周辺からフェリー乗り場まで戻ってきましたが、帰りのフェリーの時間までまだ時間があります。乗り場すぐ近くにカフェがあるので、そちらで一休みしましょう。
本島観光案内所内にある「Honjima Stand(ほんじますたんど)」は、瀬⼾⼤橋が⼀望できる開放的なお店。おすすめは季節のフルーツを使ったソーダ。魚と肉から選べる週替わりランチも人気です。ランチの魚は本島産、他の食材も県産品を積極的に使用しています。
お店の前にはテラス席があって、そこからの眺めも抜群。笠島地区周辺からは斜張橋が見えていましたが、こちらからはトラス橋と吊り橋が良く見えます。

 
本島を巡るサイクリングはいかがでしたか。笠島地区まではフェリー乗り場から自転車で約10分。鏝絵のある泊へは約5分で到着します。今回は島を半周しましたが、電動アシスト付き自転車なら一周しても大丈夫。ぜひ本島を訪れてみて下さい。
 
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本島汽船
住所  香川県丸亀市福島町127-16(丸亀港)
電話番号 0877-22-2782
料金     大人・往復1,070円、小人・往復540円
所要時間 35分(フェリー)、20分(旅客船)
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本島レンタサイクル
営業時間 7:00-17:50
定休日  無休
住所  香川県丸亀市本島町 本島汽船待合所
電話番号 0877-27-3320
レンタル料  普通自転車1日500円、電動アシスト付き自転車1日1,500円
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史跡 塩飽勤番所跡
営業時間 9:00-16:00
定休日  月曜日(祝日の場合営業、翌日休)・12月29日~1月3日
住所  香川県丸亀市本島町泊81
電話番号 0877-27-3540
入館料     大人200円、小人100円
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吉田邸
営業時間 見学は電話にて要予約
定休日  無休
住所  香川県丸亀市本島町笠島314
電話番号 090-8692-1827(吉田)
料金        大人400円、小人200円
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Honjima Stand
営業時間 11:30-16:30(L.O.16:00)
定休日  水・木曜日
住所  香川県丸亀市本島町泊494-16
電話番号 070-2301-5862

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