芸術祭だけじゃない!香川のアート 善通寺市

町歩きと一緒に楽しもう!善通寺市の黒板アート

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瀬戸内国際芸術祭で知られる現代アートの名所、香川県。その新たなアートスポットとして注目されているのが、善通寺市の黒板アートです。駅や善通寺の周りに作品が展示されており、町歩きやサイクリングをしながら楽しむのにぴったりですよ!

善通寺市の黒板アートとは?

町を駆ける馬、ダンスホールでの優雅な踊り、トランペットを吹きながら行進する自衛隊員、五重塔の上に立つ僧……。
 
善通寺市は、弘法大師空海の生誕地であり四国八十八カ所霊場のひとつでもある善通寺、旧陸軍にまつわる歴史的建築など、多くの見どころがあります。
 
この歴史的名所を舞台に展開される上のアニメーションは、善通寺第一高校デザイン科の生徒たちの作品。黒板にチョークで描いた絵を1400枚以上も使い仕上げたのだとか。
 
そのクオリティの高さから、2020年には、米国で開催されている世界最大級の広告コンテスト「ニューヨークフェスティバル」で、広告賞学生部門のファイナリスト賞を受賞。国際的にも高い評価を受けています。
 
このユニークな黒板アートは現在、一部が常設展示されており、駅周辺や善通寺の周りで楽しめるのです!

懐かしい気持ちに浸れる黒板アート

(キャプション:2020年の展示作品)
 
チョークを使って道端などに絵を描く「チョークアート」は、米国のデンバー州でフェスティバルが開かれるなど、世界各地で行われています。その一方で、黒板を使って書く「黒板アート」は、世界でも珍しいかもしれません。
 
小学校や中学校の教室に置かれていることの多い黒板。日本人にとって思い出すのは、学校の卒業式などで「先生、ありがとう」と、黒板に絵付きで描いたことではないでしょうか?
 
善通寺市の黒板アートは、そんな懐かしい気持ちを思い出させてくれる、温かみのある作品が多くそろっています。
 
(キャプション:2020年の展示作品)
 
善通寺市には、香川県唯一の黒板専業メーカー「いわま黒板製作所」があります。こうした背景から、2019年、黒板アートの屋外展示会「ZENTSUJI BLACK BORAD ART 2019」が開催され、善通寺市の歴史を感じさせるさまざまな黒板アートが展示されました。2020年にも同様の展示会が開催されています。

 

市内でも常設!カフェやサイクリングも楽しもう

(キャプション:駅前の踏切そばにある油彩の黒板アート)
 
黒板アートは、経年劣化しやすいため、基本的には展示会の際にのみ公開されています。
 
しかし、町中には、ラミネート加工されたり、油彩で描かれたりした黒板アートや、展示会の作品のレプリカなどが常設展示されているところがあります。
 
常設展示されている作品を巡ってみました。途中には、素敵なカフェや、レンタサイクルを借りられる場所もあって、楽しみながら散策できます。
 

見どころ1、JR善通寺駅周辺の黒板アート

善通寺市の玄関口、JR善通寺駅を降りると、目の前に小さな緑化スペースがあります。その中に入っていくと、3枚の黒板アートが。これらは、穴吹カレッジの学生たちによるものです。
こちらは「雨空海」。雨に濡れながらベンチに座っていたら、空海が傘をさしてくれた、というモチーフを描いています。
 
善通寺市民にとって、空海は、ちょっといかついけど実は優しいお父さんのような存在なのかもしれません。そんな、空海への愛情が伝わってくる1枚です。
こちらは、ゴッホの名作をオマージュしつつ善通寺の五重塔を描いた「星月夜in善通寺」。うねるようなタッチを黒板アートで再現した見事な作品です。
さらに、クジラや海の生き物を描いた作品も。若々しいエネルギーや、人生を楽しく生きていこうというパワーがあふれているようです。
このほか、先に紹介した映画のポスター風のアートや、「WELCOME TO ZENTSUJI」という文字も、駅周辺にあります。これらは、油彩で描かれている作品。「雨空海」や「星月夜in善通寺」などとのタッチの違いが、面白く感じられます。
 

見どころ2、まんでがん おしゃべり広場

JR善通寺駅から徒歩5分で行ける市民の交流スペース「まんでがん おしゃべり広場」。
ここには、これまで作られた黒板アート作品のレプリカが展示されています。レプリカのため、黒板アート実物と少々質感が異なりますが、製作者たちのユニークな発想を味わうには十分です。
 
※写真は2019年の作品。2020年11月現在、2020年の作品に変更されています。
「まんでがん おしゃべり広場」では、おみやげや、地元産の食材を使った軽食、飲み物も販売しています。
素敵なテラスもあり、黒板アートを眺めながら一服したり、おしゃべりを楽しんだりするのにもぴったりです。
「まんでがん おしゃべり広場」では、レンタサイクルも用意しています。今回は徒歩でのんびり巡っていますが、ここから自転車に乗って、善通寺市内をサイクリングで巡ることもできます。
 

見どころ3、善通寺周辺

JR善通寺駅から20分ほど歩くと、総本山善通寺に到着します。この周辺にも、複数の黒板アートがあります。
こちらは「にぎわい広場」。香川短期大学の学生たちがつくった黒板アートがあります。
 
「ようこそ善通寺」という文字と共に描かれるのは、五重塔と若い僧、そして森と山。シンプルですが、美しい自然と歴史遺産に囲まれた善通寺らしい1枚です。
 
ここは、背景に善通寺のシンボル、五重塔を写せるのもポイントです。写真好きの方は、ここでこだわりの1枚を撮ってみてくださいね!
また、善通寺から徒歩5分ほどの距離にある観光交流センターにも、「ZENTSUJI」と書かれた黒板アートが。これは香川大学の学生の作品。
 
この絵のモチーフは、「曼荼羅フューチャー」とのこと。じっと見ているうちに、うねるような円が、神秘の世界へ誘ってくれそうな気分になります。
観光交流センターには、足湯「供待(ともまち)の湯」もあります。町中を歩いて疲れたので、ここで足湯に浸りながら休憩します。
 

見どころ番外編、偕行社かふぇと赤レンガ

冒頭に紹介した動画のスポットも回ってみました。善通寺市の魅力を一層感じることができました。
こちらは「偕行社かふぇ」。アニメーションの中で、女子高生たちがお茶をしていたスポットです。緑に包まれた美しいテラス席が魅力で、善通寺市の特産品・讃岐もち麦ダイシモチを使ったドーナツなどを食べることもできる人気カフェです。
 
「偕行社かふぇ」に隣接する形で、アニメ―ションでのダンスの舞台となっていた、「旧善通寺偕行社」もあります。こちらは重要文化財に指定されており、10:00~16:00まで自由に見学することができます(無料)。
少し足を伸ばして善通寺の自衛隊駐屯地にある赤レンガの倉庫も見てみます。アニメーションの中では、この赤レンガの前で、自衛隊の隊員がトランペットを鳴らしながら行進しているシーンが映し出されていましたね。
 
こちらは、旧陸軍第11師団の兵器庫で、明治後半から大正にかけて建てられました。現在も陸上自衛隊が活用しているため、普段は中に入れませんが、歴史を感じさせる美しいたたずまいから、市民に愛されています。
 

10~11月に展示会も

善通寺市では、2019年、2020年の秋に、黒板アートの展示会を市役所の周辺で開催しました。2021年には、9月に「旧善通寺偕行社」で油絵具やアクリル絵具を使った黒板アートの展示を行う予定とのこと。詳しい開催予定については、善通寺市役所の商工観光課(0877-63-6315)にお問合せください。
 
空海や善通寺の五重塔などが多く描かれた黒板アート。じっと見ていると、地元を愛する地域の人々の心が伝わってきて、温かい気持ちになりました。
 
瀬戸内のアートや、隣接する琴平町の金刀比羅宮と一緒に巡るにもぴったりの善通寺市の黒板アート。サイクリングや町歩きで楽しく巡ることができました。
 
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まんでがん おしゃべり広場
営業時間 9:00~17:30(売店営業は17:00まで)
定休日 12/30~1/3
住所 香川県善通寺市上吉田町2-1‐9
電話番号 0877-64-0012
https://www.zentsuji-mandegan.jp/c/about/about_osyaberi
 
 
観光交流センター
営業時間 9:00~19:00
定休日 毎週火曜日(火曜日が祝日の時は翌平日)、12/29~1/3
住所 香川県善通寺市善通寺町2‐8‐23
電話番号 0877-64-1250
https://www.city.zentsuji.kagawa.jp/site/infocorona/kankoukouryucenter.html


偕行社かふぇ
営業時間 08:30~17:00(17:00~21:00は予約営業)
定休日 毎週水曜日(祝日は営業) 
住所 香川県善通寺市文京町2-1-1
電話番号 0877-62-4906
http://kaikosha-cafe.com/

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