芸術祭だけじゃない!香川のアート

芸術祭だけじゃない!香川のアート

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坂出・鎌田ミュージアム
岡山県と香川県をつなぐ瀬戸大橋のふもとの街・坂出市。JR予讃線坂出駅のすぐそばに、見どころ満載のアートスポットがあります。香川県の老舗醤油店のひとつである「鎌田醤油」。大正時代に建てられた建物や鎌田家の旧邸宅・旧店舗などが、博物館や美術館として一般公開されています。建築・アート探訪に行ってみました。

最初に訪ねたのは「鎌田共済会郷土博物館」。大正11年に設立されたこちらの建物は登録有形文化財で、もともとは坂出市の図書館として使われていました。現在では、郷土の偉人・久米通賢の偉業など貴重な資料を展示する博物館になっています。

久米通賢は江戸時代後期の人物で、今の香川県東かがわ市に生まれました。
通賢は西洋の科学的な知識を活用し、天文・測量学を始めさまざまな分野で活躍しました。
博物館には、高松藩の命の下、藩領内の地図を製作するために測量を行なった際の器械・資料、天体観測に使われた天球儀や記録、鉄砲や大砲といった武器の考案過程を伺える資料など、数多くの実績が展示されています。

博物館は県内でも初期のコンクリート造。“コーニス”と呼ばれる屋根飾りや、木枠のアーチ窓が特徴的です。博物館のうち展示室は1階部分のみですが、受付の学芸員さんに申し出れば2階以上にも案内していただけます。
一見普通のこちらの階段…、

実はよく見ると上から新しい階段が重ねられているんです!昔の階段が急すぎたので、このように改装されたのだとか。

3階にはとっておきの眺めがあります。階段を上がって正面の部屋に入ると、ハガキほどの大きさの何やら気になる小窓が。

開けてみると…

なんと!真正面に讃岐富士(飯野山)が見えます。このユニークな小窓は、数年前に現代アートの展示をしたときの作品のひとつだったのだそう。


1階の展示室では、郷土の貴重な資料や久米通賢が製作したと伝わる天体望遠鏡や鉄砲などが展示され、その功績を知ることができます。

開館当初から使われている年季の入った木製展示ケースも必見。

通賢は当時の高松藩に塩田開発を進言し、現在の坂出市があるエリアは塩の一大産地となりました。塩は、砂糖・綿と並び「讃岐三白」と呼ばれる香川の名産品となりました。

当時の坂出を描いた絵(模写)。瀬戸大橋や工業地帯のある現在の姿とはまるで違います!こんなにのんびりした浜辺だったんですね。

続いて、歩いて5分ほどのところにある「淡翁荘(たんおうそう)」に向かいました。
淡翁荘は、昭和11年に鎌田勝太郎が迎賓館として建てた洋館で、現在では日本で唯一、人形作家・四谷シモン氏の作品が常設展示される美術館「四谷シモン人形館」として一般公開されています。

館内は寄木造の床や細部まで装飾の施された天井など、見ごたえ充分。

各所の扉やふすまの奥には、四谷氏作の人形が展示されています。あまりにリアルな人形の数々に、思わずドキドキ。心が見透かされているかのような視線を感じます。

2階展示室はまるで人形のために誂えられたかのよう。異世界に入り込んでしまったような、不思議な雰囲気に包まれています。

館内にかかるレコードは、「四谷シモン」の名の由来ともなったジャズ歌手、ニーナ・シモンの歌。レコード独特の響きが、より一層時間の流れをゆっくりと感じさせます。
館内ではコーヒーなど飲み物を注文することもできます。遠方から来て開館から閉館まで人形たちと向き合うファンも多いそうですよ。

不思議なひとときを満喫したあとは、すぐ隣の「小沢剛 讃岐醤油画資料館」も見学しました。もともと鎌田醤油の店舗だったというこちらの建物。今は現代アーティスト・小沢剛氏が手掛ける、世にも珍しい醤油画の資料館として一般公開されています。
建物内部は、天井が高い吹き抜け構造になっています。醤油を積んだ荷車が入れるようにするための工夫だそう。

反対側は商店街に面しています。

建物の横の巨大な木桶が醤油造りの歴史を物語ります。
資料館に入るとほのかに醤油の香りが漂います。
小沢氏によれば、日本では古くから醤油を画材として描く“醤油画”の文化が残っており、あのお大師さま(空海)も醤油画を描いたらしいとされています。
近代日本を代表する油彩画家や、
水玉モチーフが特徴の現代アーティストも醤油の可能性に挑んだらしいとの説も。

ぜひ醤油画の真実をその目で確かめてみてください!

展示室の横には、実際に醤油画を描けるスペースもあります。

付近には鎌田醤油の販売店もあります。
定番のだし醤油をはじめ、鍋に使える貝だしなど種類豊富に揃っており、お土産選びにもぴったり。


3つのミュージアムではスタンプラリーが開催されており、スタンプを全て集めると、こちらの直売所にて景品と交換することができます。
景品は、だし醤油・低塩だし醤油(いずれも200ml)・クリアファイル(四谷シモン氏の人形作品や郷土博物館にある大砲の写真など全3種)の中から、お好きなものを一つ選べます。

郷土の歴史から醤油文化まで、しっかりと学べる一日となりました。


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鎌田共済会 郷土博物館
営業時間 9:30-16:30(入館16:00まで)
休館日  月・祝・8月13日~15日・12月29日~1月4日
住所   香川県坂出市本町1-1-24
電話番号 0877-46-2275
入館無料
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四谷シモン人形館 淡翁荘
※小学生以下入館不可。また、館内には一部刺激の強い作品があります。
営業時間 10:00-16:00
開館日  金・土・日
住所   香川県坂出市本町1-6-35
電話番号 0877-46-2275
入館料  500円
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小沢剛 讃岐醤油画資料館
営業時間 10:00-16:00
開館日  金・土・日
住所   香川県坂出市本町1-6-35
電話番号 0875-45-1111(開館日)/0875-46-0001(休館日)
入館料  200円

 
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鎌田醤油 坂出蔵元直売所
営業時間 9:00-18:00
休業日  年末年始
住所   香川県坂出市本町1-6-35
電話番号 0877-46-0007
http://www.kamada-soy.co.jp/store/

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