1泊2日で香川・岡山を巡る、欲張りフォトジェニック旅

瀬戸内海の温暖な気候に恵まれ、おだやかで晴れた日の多い香川・岡山両県は、一年を通して旅行先には最適といえます。今回は、そんな香川・岡山の写真映えするとっておきのスポットと、地元で人気のグルメを1泊2日で巡る、ちょっと欲張りなプランを地元ライターがご紹介します。

旅の始まりは、香川の空の玄関・高松空港から。通常、国内線は羽田・成田・那覇からの直行便があり、特に羽田便は1日13往復と運航便数が多く、朝からアクティブに行動できる利便性があります。また、空港周辺には乗り捨て可能なレンタカーを借りることができる店舗もあり、身一つで旅行が楽しめます。
それでは、さっそく出発しましょう!
※現在、新型コロナウイルス感染症の影響により、減便しています。
瀬戸内海や太平洋、清流など「四国水景」をテーマにした水族館
2020年6月にオープンした四国水族館は、四方を海で囲まれ、美しい清流や池沼などを持つ四国の水中世界を再現する「四国水景」をテーマにした水族館です。
宇多津の塩をイメージしたという白を基調にしたモダンな施設は、イルカ棟と本館棟、屋外施設で構成されており、6つのゾーンと海豚プール、特別展示室にて計70の水景を展示しています。各水槽の特徴を表わす「〇〇の景」というネーミングがユニーク。
また、本館棟1階の多くの水槽がまるで絵画の額縁のようにデザインされていたり、トリックアートが描かれた各ゾーンの入り口があったりなど、まるで美術館を思わせるアートな一面も楽しめる展示となっています。
館内はストロボを使用しなければ基本的に写真撮影は可能。「渦潮の景」と呼ばれるアーティスティクな水槽や、アカシュモクザメの群れを下から見上げる「神無月の景」、瀬戸内海をバックに写す「海豚プール」が特に人気のフォトスポットなんだそう。
芸術性すら感じるたくさんの水景に、愛らしい水生生物たち、館内から眺める美しい瀬戸内海も最高! 思わずシャッターが止まらなくなるほどフォトジェニックな水族館でした。
森羅万象を意味する、京極家ゆかりの回遊式大名庭園
中津万象園は、丸亀藩京極家(きょうごくけ)二代目藩主・京極高豊によって、貞享5年(1688年)に現在の所在地でもある中津の海浜に、中津別館として築庭されたのが始まり。庭園中央には京極家先祖の地である近江の琵琶湖を形取った「八景池」を配し、池の中には近江八景になぞられえた、帆・雁・雪・雨・鐘・晴嵐・月・夕映と名付けられた島々があり、そして、その島々を橋で結んだ回遊式大名庭園です。
庭園内には約1200本の松のほか、春の梅、秋の紅葉などの彩を感じる樹々も植えられ、訪れる観光客を楽しませています。
フォトスポットも各所に点在。中津万象園の象徴的な橋であり、月を迎えるという意味がある「邀月橋(ようげつばし)」や樹齢600年と言われる「大傘松」、現存する日本最古の煎茶室「観潮楼(かんちょうろう)」のほか、京都の伏見稲荷総本社から分祀された鮮やかな鳥居が並ぶ「百本鳥居」などがおすすめ。
歩き疲れたら、庭園を見渡せる「海望亭」で休憩するも良し、併設する「丸亀美術館」でアートにふれるのも良し、庭園散策以外にも楽しめる施設が揃います。
変化に富んだ美しい庭園は、まるで時を超えて京極氏にもてなされているような温かい気持ちになりました。
日本庭園を眺めながら楽しむ会席ランチ
中津万象園に併設されている懐風亭は、四季折々の旬の素材を生かした讃岐の味を提供する味処。日本庭園と調和する和風の外観に、落ち着いた雰囲気のある店内、個室のお部屋にはそれぞれに大きな窓がしつらえており、そこから眺める中津万象園の景観は見事のひと言!
今回いただいたのは、お造りや揚げ物に小鉢やデザートなどが付いた「懐風亭ランチ」(1,320円)。揚げ物は揚げたてサクサク、お造りは季節ごとの旬な魚を使うそうで、プリプリの新鮮な食感がとても美味しくいただけました。ランチタイムは11:00~14:00の営業。
瀬戸内海の天空を映す鏡と言われ、写真映えすると話題のロングビーチ
数年前に、南米ボリビアにあるウユニ塩湖のような絶景写真が撮れるとSNSで話題となり、以来、休日ともなると多くの家族連れや若者たちで賑う父母ヶ浜(ちちぶがはま)。その賑わいにレストランやカフェなども増え、ますます観光地としての魅力に磨きがかかっています。
人気なのは「日本の夕陽百選」にも選ばれた美しい夕陽をバックにした撮影です。日の入り前後の刻々と色彩が変化する壮大で美しい景色に思わず感動しました。
潮だまりに映る鏡のような写真を撮るコツは、干潮時刻と日の入り時刻が重なり、水面が波立たない風のない日に、できる限りカメラを低く構えることなのだそう。
「瀬戸内海の天空の鏡」と呼ばれる絶景スポットで、思い思いのポーズで思い出に残る1枚をぜひどうぞ!
​古民家をリノベーションした一棟貸しの宿で、暮らすように宿泊する
かつては塩や米の積み出し港として栄え、今もなお江戸のにおいを感じる古い町並みが残る三豊市仁尾町。そんな仁尾町の古き良き建物を後世に残し、街並みを再生するとともに、伝統を次世代に繋ぎ、新しい地域のあり方を模索する試みとして動きだしたプロジェクト、仁尾縁(におよすが)の第一弾が、江戸時代の商家を再生したこちらの多喜屋です。
宿泊は1日1組限定の一棟貸し。建物としての価値は尊重しつつ、それを生かすために厳選した国産の建材を使用。さらに、宿泊スペースに置かれている家具や器、リネン類などは、讃岐の風土に合わせたものを選ぶというこだわりよう。仁尾での暮らしや時間の流れを感じてもらえるよう細部にまで暖かい配慮が感じられる宿です。
イサム・ノグチの作品である和紙の照明「AKARI」に照らされたほの暗い居室、そして香川県の伝統的工芸品である織物「保多織(ぼたおり)」を使用した部屋着に身を包めば、いつもの日常のようにリラックスできるから不思議です。ゆったりと流れる時間が、愛おしく感じられる、そんなひと時をお過ごしください。
夕食は地域の特色を感じる料理に舌鼓を打つ
多喜屋での夕食は、株式会社ドロワースが提供する「地域食アテンダント」がおすすめ。
地域食アテンダントとは出張シェフサービスに近い食事の形態で、あらかじめ予約をすれば、地域内で飲食業を営むシェフや料理好きな主婦などが食材を持参し調理をしてくれます。ゆっくりと食事ができるようセッティングまで行ってくれるサービスです。
主に地域で採れる四季折々の食材を使用し、その土地に伝わる料理や独自の創作料理などを提供してくれます。その際、その日のメニューや食材の話、地域の風習などの話を聞かせてくれるのが楽しくて、多喜屋でのゆったりと流れる素敵な時間に花を添えてくれました。
なお、写真の料理は一例で、季節ごとの食材を中心にメニューを考えるそうなので、詳細については予約時にご確認ください。また、基本的には1週間以上前までの予約が必要となります。(※料理人や食材等の手配により、日程によっては対応できない場合もあります。)
古民家の宿でしっかり癒やされた翌日は、瀬戸大橋を渡って岡山県へ上陸しましょう。
瀬戸大橋は1988年に開通した岡山県と香川県を結ぶ6橋の総称で、橋梁部の長さは9,368m、鉄道道路併用橋としては世界でも類も見ない大きさです。
瀬戸内海の島々が浮かぶ風光明媚な景色の中、のんびりドライブを楽しみましょう。途中、与島パーキングエリアで迫力ある瀬戸大橋を眺めてみるのもいいですね。

○瀬戸大橋の詳細についてはこちら

岡山県のフォトスポットを巡る前にぜひチェックしたいサイトが「撮りっぷ岡山マップ」です。
「撮りっぷ岡山マップ」とは、岡山県が2020年9月末まで行ったインスタグラムを使ったキャンペーン「撮りっぷ岡山ハッシュタグキャンペーン」に寄せられた4,000件以上もの絶景やグルメなどの投稿の中から、選りすぐりの写真を使って作成されたデジタル観光マップです。
GPSと連携しているため、スマートフォンなどで見ると現在地から近いスポットが表示され、写真をクリックすると投稿者のコメントなども見ることができます。
こんな便利なサイトがあるのに使わない手はない! ここからは「撮りっぷ岡山マップ」を使って巡ることにしましょう。
※「撮りっぷ岡山マップ」は、岡山県観光ポータルサイト「岡山観光WEB」の中に掲載されています。

○「岡山観光WEB」についてはこちら
瀬戸内海の大パノラマを眺めながらのカフェタイム

瀬戸内海に面した標高235mの王子が岳は、多島美の絶景や切り立った断崖に巨岩・奇岩が見えるフォトジェニックなスポットです。遊歩道を歩くと「おじさん岩」「にこにこ岩」「ひつじ岩」などと名付けられたユニークな岩に出合うことができ、ツツジや桜などが咲き誇る季節には特に多くの人々でにぎわいます。
そんな王子が岳のぜひ立ち寄っていただきたいカフェが「belk」です。
王子が岳パークセンターにあり、一面ガラス張りになっている店内からは瀬戸内海の大パノラマが望めるとあって、今話題の人気スポットです。挽き立てのコーヒー豆を一杯ずつドリップして提供されるコーヒーは香りが最高! 焼き立てのトーストに、バターとカナダ産のメープルシロップをたっぷりかけた「メープルバタートースト」も人気のメニュー。景色に見とれるあまり油断して口に入れると、突然もっちりサクサクな食感に甘~いシロップが口の中に広がり、ほっぺが落ちそうになりました!
混雑していなければ、海側に面したカウンター席がおすすめ。正面に見える島々や瀬戸大橋を眺めながらぼーっと過ごすひとときをたっぷりと堪能しましょう。
江戸から昭和初期にかけての町並みが残る王道観光スポット
古くから運河が整備され、水運の町として備中地方の物資が集積する商業の中心として栄えた倉敷。江戸時代になると徳川幕府直轄地「天領」とされ、さらに発展しました。豊かになった商人たちは、河畔に蔵や屋敷を建て、明治期以降に水運業が衰退した後も倉敷商人たちの活躍で経済は回復し、町は整備されていきました。
美観地区にはその当時から残る白壁土蔵のなまこ壁や軒を連ねる町家、柳の並木が美しい掘割など、情緒豊かで伝統的な町並みがそのまま残されています。
倉敷の発展に大きな役割を果たした大原家ゆかりの大原美術館をはじめ、語らい座 大原本邸、倉敷民藝館、大正6年に倉敷町役場として建てられた洋風木造建築・倉敷館(観光案内所)、近代化産業遺産である倉敷アイビースクエア、江戸時代の土蔵を改装した倉敷考古館などの歴史的な建物を見学しつつ、町家をリノベーションした個性あふれるカフェやスイーツのお店、雑貨店などを見ながら散策するのも楽しい。
このエリアすべてがフォトスポットで、逆にどこを撮ったらいいのか迷うほどでした。二度三度と訪れたい魅力的な、まさに「美観」地区です。
その昔、倉敷の庶民が内緒で食した返し寿司
日本初の「庶民のための公立学校」である旧閑谷学校を設立したことで知られる岡山藩初代藩主・池田光政は、その施政下に「一汁一菜」の倹約を奨励していました。贅沢を禁じられた当時の庶民たちは、なんとか役人に見つかることなく美味しいものを食べたい。そんな苦肉の策から考案されたといわれる「返し寿司」を提供するお店です。
一見、寿司飯に錦糸玉子をのせただけのお寿司なのですが、これを箱ごとひっくり返すと、なんとそこには豪華な海鮮寿司が現れるという寸法。役人の目を欺く、文字通り「返し寿司」という大変ユニークなお寿司なのです。
現代風にアレンジされた返し寿司は新鮮なネタが揃い、格別な美味しさ。好きなものを自由に食べられる現代に生まれた幸せをちょっぴり感じる体験となりました。
鬼退治神話が残る、大吉備津彦大神を主祭神とする山陽道屈指の大社
吉備津神社は大吉備津彦大神を主祭神とする山陽道屈指の大社で、国宝である本殿は建坪78坪3強(約255平米)の大建築であり、京都の八坂神社に次ぐ大きさで、出雲大社の2倍以上の広さがあるそう。白漆喰で築いた亀腹の上に北面して立つ一重の神殿で、二つの入母屋を一つの大きな屋根にまとめた構造を「飛翼入母屋造り」といい、全国で唯一の様式であることから「吉備津造り」とも言われています。
また、童話桃太郎のモデルとも言われる温羅(うら)退治(鬼退治)神話が残っていることでも知られ、広く全国から崇敬されています。
吉備津神社でおすすめなのが、可愛らしい「桃のお守り」。お守りには穴があり、それを覗くと桃太郎の姿が描かれています。本来は厄除けのお守りですが、縁結びに効果があるとの噂が広まったそうで、特に女性に大人気。また、火難盗難を除くとされる「吉備津こまいぬ」や、幸運招福の「桃懐(ももふところ)御守」も人気があるそうです。
また、吉備津神社の名物ともいえる廻廊は全長360mもあり、起伏のある地形そのままの複雑な造りとなっています。日が傾く頃には廻廊の柱の影が伸びて、さらに幻想的に見えます。
1泊2日の香川・岡山のフォトジェニックな旅。最後は岡山桃太郎空港から帰路に向かうことにしましょう。
今回は欲張りにあちこちのフォトスポットを盛り込みましたが、またじっくり訪れたい場所もあったと思います。同じ場所でも季節が変わるとまた違う表情を見せてくれますので、またぜひ香川と岡山にお越しください!