• 香川県庁東館
    香川県庁東館

建築・建造物

建築ファンには「建築王国」とも呼ばれている香川県。戦後日本を代表するモダニズム建築を確立した巨匠・丹下健三作品をはじめ、世界的にも有名な建築家が残した現代建築の名作の数々が、周囲の環境や人々の暮らしに溶け込みつつも、燦然とした輝きを放っています。
モダニズム建築の中の香川県庁舎
DOCOMOMO(ドコモモ・後世に残したい近代建築の記録と保存を目的とする国際組織、本部フランス)Japan20選に選ばれた丹下氏初期の傑作です。垂木のような小梁が突き出たベランダ、木造建築で一般に使用する角柱など、日本の伝統的な建築の様式を意識した設計となっています。「打放しコンクリート」「ピロティー(柱だけの空間とした1階部分)」「センターコア方式(階段・エレベーター・水廻り等を建物中心部に配置)の採用」「高層棟と低層棟の組み合わせ」などの特徴は、その後の全国自治体庁舎のモデルとなりました。
1階ロビーには、猪熊弦一郎画伯の太陽と月を題材とした壁画「和敬清寂」が制作され、芸術性豊かな空間を形成しています。第1回BCS賞(建築業協会賞)を受賞、公共建築百選(建設省50周年を記念して選定した100件のすぐれた公共建築物)にも選ばれています。


〒760-8570 香川県高松市番町4-1-10
Tel:087-831-1111
閉庁日/土・日曜日祝日・年末年始
交通案内 / JR高松駅から徒歩約20分。ことでん瓦町駅から徒歩約10分。
高松中央ICから車で約20分。高松西ICから車で約20分。
COLUMN
猪熊弦一郎「和敬清寂」
1階ロビーには猪熊弦一郎の壁画が飾られている

猪熊弦一郎「和敬清寂」

開かれた庁舎を象徴する、芸術性豊かな空間

東館1階にある陶板壁画。茶道の神髄といわれる利休の言葉「和敬清寂」の四つの文字が、四つの壁面に表現されている。芸術性豊かな空間を楽しみたい。

ブロンズ外面の存在感
  • 道路を挟んで本館と別館を高架通路で結ぶ

    道路を挟んで本館と別館を高架通路で結ぶ

  • 本館と別館を結ぶ連絡橋

    本館と別館を結ぶ連絡橋

  • 流政之監修「草壁画」

    流政之監修「草壁画」

  • 内観

    内観

  • 内観

    内観

建築時、西日本で一番高い16階建ての本館と5階建ての別館を、道路を挟み高架通路で結んだ作品です。第9回BCS賞を受賞し、DOCOMOMO100選にも選ばれています。正面には鉄筋コンクリート柱と日本初の緑青仕上げのブロンズ板で覆われた壁面がそびえ、側面のガラス張りの壁面との対比が印象的です。内装は、彫刻家・流政之氏監修によるもので、木のような温かみを感じさせる大理石トラバーチンの壁や瀬戸の色とりどりの石によるミカゲモザイクの床など、彫刻家としての専門的な技術経験を建築デザインに反映させたものになっています。本館東にある駐車場の壁面も流氏の監修で、12種類のツタでつつみ、時とともに育ち色と形をつくり続けていく「草壁画」を描いています。


〒760-0050 香川県高松市亀井町5番地1
Tel:087-831-0114
定 休 日/土日祝日・年末年始
交通案内 / JR高松駅から徒歩約20分。ことでん瓦町駅から徒歩約10分。
高松中央ICから車で約20分。高松西ICから車で約20分。
瀬戸内海を一望
瀬戸内海を俯瞰する五色台の小高い丘に向かう稜線に、石積みと打ち放しコンクリートで構築された自然に溶け込むように調和した山本忠司氏によるこの作品は、香川でアトリエを持つことになる芸術家イサム・ノグチ氏とのインド旅行でその原型が誕生しました。城壁のように積まれた外壁の安山岩は整地のために掘り起こした石を積上げ、中庭を囲む階段で結ばれた回廊式の展示場には、中庭やハイサイドライト(壁面上部の窓)からの自然光が差し込みます。石工事を担当したのは、後にイサム・ノグチ氏のパートナーとして活躍する和泉正敏氏です。昭和49年度日本建築学会賞(作品賞)、第1回公共建築賞優秀賞を受賞し、公共建築百選にも選定されています。
瀬戸内の民俗資料を収蔵する建物として設計された瀬戸内海歴史民俗資料館では、国の重要有形民俗文化財に指定されている木造船や漁撈用具、船大工用具などを展示し、特色ある瀬戸内地方のくらしと文化について紹介しています。


〒761-8001 香川県高松市亀水町1412-2
Tel:087-881-4707
休 館 日/月曜日(月曜日が休日の場合は原則としてその翌日)・年末年始
交通案内 / JR高松駅から車で25分。JR坂出駅から車で30分。
坂出IC、坂出北IC、高松中央ICから車で約30分。
画家と建築家が互いの理想を追求した美術館
  • 正面には、猪熊弦一郎の巨大な壁画《創造の広場》やオブジェの設置されたゲートプラザがある

    正面には、猪熊弦一郎の巨大な壁画《創造の広場》やオブジェの設置されたゲートプラザがある

丸亀市出身の画家猪熊弦一郎氏の画業顕彰と地域の美術振興を目的に建築されたこの美術館(愛称MIMOCA/ミモカ)は、猪熊画伯自らが選んだ谷口吉生氏との対話によりアーティストと建築家の理念が細部に至るまで具現化した建築となっています。駅前広場と施設を結びつけるファサード(建物正面)には、猪熊画伯の巨大な壁画〈創造の広場〉やオブジェの設置されたゲートプラザがあり、3層構造の館内は自然光をふんだんに取り込み、軽やかで開放的な空間が広がります。第26回SDA賞、第34回BCS賞、第7回村野藤吾賞、第5回公共建築賞・特別賞を受賞し、公共建築百選にも選定されています。


〒763-0022 香川県丸亀市浜町80-1
Tel:0877-24-7755
休館日/年末(12月25日~31日)
   ※展示替え期間は休館日となるため詳しくはお問い合わせを
交通案内 / JR丸亀駅下車徒歩1分。坂出北ICから車で約10分。
坂出IC、善通寺ICからそれぞれ車で約15分。
美術館建築の名手・谷口吉生氏が手がけた瀬戸内の宝石のような建物
  • 周辺の景観にとけこむシンプルながらも美しい外観

    周辺の景観にとけこむシンプルながらも美しい外観

  • ミュージアムカフェ「な・ぎ・さ」のラウンジからは、瀬戸内海と瀬戸大橋が一望できる

    ミュージアムカフェ「な・ぎ・さ」のラウンジからは、瀬戸内海と瀬戸大橋が一望できる

  • 1階展示室(テーマ作品展開催時)

    1階展示室(テーマ作品展開催時)

日本画の巨匠、東山魁夷画伯の版画作品を中心に収蔵、展示するこの建物は、美術館の設計で世界的に有名な谷口吉生氏によるもので、東山画伯の祖父の出身地である櫃石島と瀬戸内海を望む場所に建てられた海辺の美術館です。モスグリーンの石張りの外壁は、東山画伯の作品の色調にも通じ、シンプルで芸術性の高い建築であるとともに、周辺の景観にも調和しています。作品鑑賞後に1階ラウンジに降りると、東山画伯がその色を提案したライトグレーの瀬戸大橋と美しい瀬戸内海が一望できます。第12回公共建築賞・優秀賞を受賞。


〒762-0066 香川県坂出市沙弥島字南通224-13
Tel:0877-44-1333
休 館 日/月曜日(祝日の場合は翌日火曜日が休館)・年末年始
※展示準備期間の休館があり、詳しくはお問い合わせを。
ゴールデンウィーク、夏休み期間は月曜も開館。
交通案内 / JR坂出駅、JR宇多津駅から車でそれぞれ約20分。
坂出北ICから車で約10分。坂出ICから車で約20分。
※坂出北ICはハーフインターのため四国側からの退出不可
  • 地中美術館 写真:藤塚光政

    地中美術館 写真:藤塚光政

「自然と人間を考える場所」として、2004年に設立された美術館。直島の南側に位置し、館内にはクロード・モネ、ジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリアの作品が安藤忠雄設計の建物に恒久設置されている。アーティストと建築家とが互いに構想をぶつけ合いながら作り上げたこの美術館は、建物全体が巨大なサイトスペシフィック・ワークといえる。
  • ベネッセハウス ミュージアム 写真:山本糾

    ベネッセハウス ミュージアム 写真:山本糾

美術館とホテルの機能を兼ね備えた施設。「自然・建築・アートの共生」をコンセプトに、建築家・安藤忠雄の設計により、 1992年にオープン。作品は展示スペースにとどまらず、館内のいたるところに設置され、施設をとりまく海岸線や林の中にも 点在しています。
  • 李禹煥美術館 写真:山本糾

    李禹煥美術館 写真:山本糾

アーティスト・李禹煥(リ ウファン)と建築家・安藤忠雄のコラボレーションによる美術館。海と山に囲まれた谷間に、ひっそりと位置するこの美術館は、自然と建物と作品とが呼応しながら、モノにあふれる社会の中で、我々の原点を見つめ、静かに思索する時間を与えてくれる。
  • ANDO MUSEUM 写真:浅田美浩

    ANDO MUSEUM 写真:浅田美浩

築約100年の古民家を生かした安藤忠雄のミュージアム。木とコンクリート、光と闇―対立する要素が重なり合う、小さいながらも安藤建築の粋が集まった空間。ここでは自身の活動や直島の歴史を伝える写真やスケッチ、模型を展示。建物と空間そのものも作品といえる。
アートの島の玄関
建築界のノーベル賞とも例えられ、建築家にとって最高の栄誉とされるプリツカー賞を2010年に受賞したSANAAの設計による作品です。アートの島・直島の海の玄関、フェリーターミナルとして建てられた透明感のある軽やかな鉄骨造一部鉄筋コンクリート造平屋建で、SANAAデザインによるSANAAチェアーも設置されています。建物横の広場には水玉をモチーフにした草間彌生氏の作品「赤かぼちゃ」があります。


〒761-3110 香川県香川郡直島町2249-40
Tel:087-892-2299
交通案内 / (直島まで)
高松港から宮浦港までフェリー約50分
宇野港から宮浦港までフェリー約20分
「風と水と太陽の島 直島」を次の世代へ
  • 直島ホール 所有者:直島町 設計:三分一博志建築設計事務所 撮影:小川重雄

    直島ホール 所有者:直島町 設計:三分一博志建築設計事務所 撮影:小川重雄

直島の文化を次の世代に継承したいと考えた三分一氏によって設計された直島ホール。この施設は、直島の地勢や特性をイメージした外観と「環境のまち・直島」の、太陽光・風・地下水等の自然エネルギーを積極的に活用した建造物でありこれからの建築の有り様を示すものです。
ホール、集会所、庭園で構成され、2棟の異なる檜の大屋根が特徴。ホールは総檜葺きの入母屋形状で、風穴が開いています。ホール内の舞台は四国や瀬戸内に多く見られる農村舞台、特に近世芸能の人形芝居の舞台小屋形式を継承し、香川県指定有形・無形民俗文化財の直島女文楽の練習場としても利用されます。そして集会所の屋根は総檜の寄せ棟形状で、二重の通気屋根とトップライトで構成されています。
直島ホールの利用には申請が必要ですが、外観であればいつでもご覧いただけます。



〒761-3110 香川県香川郡直島町696-1
Tel:087-892-2882(直島町教育委員会)
交通案内 / (直島まで)
高松港から宮浦港までフェリー約50分
宇野港から宮浦港までフェリー約20分
  • 豊島美術館 写真:森川昇

    豊島美術館 写真:森川昇

瀬戸内海を望む豊島唐櫃(からと)の小高い丘にあるアーティスト・内藤礼と建築家・西沢立衛による美術館。休耕田となっていた棚田を地元住民とともに再生させ、その広大な敷地の一角に、水滴のような形をした建物が据えられている。広さ40×60m、最高高さ4.5mの空間に柱が1本もないコンクリート・シェル構造で、天井にある2箇所の開口部から、周囲の風、音、光を内部に直接取り込み、自然と建物が呼応する有機的な空間。内部空間では、一日を通して「泉」が誕生する。その風景は、季節の移り変わりや時間の流れとともに、無限の表情を伝える。
  • 豊島横尾館 写真:山本糾

    豊島横尾館 写真:山本糾

豊島の集落にある民家を改修してつくられた、アーティスト・横尾忠則の美術館。既存の建物の配置を活かした「母屋」「倉」「納屋」の3つの空間に平面作品11点を展示しているほか、石庭と池、円塔内で展開するインスタレーション作品が、敷地全体に広がります。生と死を同時に想起させる哲学的な場といえます。
  • 犬島精錬所美術館 写真:阿野太一

    犬島精錬所美術館 写真:阿野太一

犬島に残る銅製錬所の遺構を保存・再生した美術館。「在るものを活かし、無いものを創る」というコンセプトのもとに造られており、「遺産、建築、アート、環境」による新たな地域創造のモデルとして、注目されている。
  • 犬島「家プロジェクト」F邸 写真:Takashi Homma

    犬島「家プロジェクト」F邸 写真:Takashi Homma

2008年4月に開館した犬島精錬所美術館に続き、犬島の集落の中に展開するプロジェクト。アーティスティックディレクター・長谷川祐子、建築家・妹島和世が島の風景を変容・活性化させる5つのギャラリーと「石職人の家跡」を展開。
江戸時代の職人の技術の高さに注目!
「讃岐のこんぴらさん」として親しまれている金刀比羅宮にある旭社は、天保8(1837)年に竣工した高さ約18m、銅板葺総欅造二重入母屋造の荘厳な建物です。上層の屋根裏には巻雲、柱間や扉には人物、鳥獣、草花の彫刻が施された華麗な装飾が見事で、江戸時代の職人の技術の高さをうかがい知ることができます。
江戸の情緒を伝える日本最古の芝居小屋
「こんぴら参り」で栄えた金刀比羅宮の門前町には、天保6(1835)年に建てられた日本最古の芝居小屋で、国の重要文化財に指定されている旧金毘羅大芝居(金丸座)があります。「金丸座」の名称は、明治33年に付けられたもので、今も毎年春に「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が行われ、人気の歌舞伎役者による公演が行われています。公演時以外でも、客席や舞台裏などを見学することができます。
弘法大師生誕の地に佇む善通寺のシンボル
弘法大師・空海の生誕地として知られている真言宗善通寺派の総本山・善通寺。その境内にそびえる五重塔は高さ43mの総欅造りで、善通寺のシンボルとして広く人々に親しまれています。創建以来、落雷などで何度か焼失しましたが、その度に再建され、現在の五重塔は明治35(1902)年に完成した4代目です。
国宝に指定されている日本最古の神社建築
  • 鬱蒼と樹木が生い茂った鎮守の杜にひっそりと佇む

    鬱蒼と樹木が生い茂った鎮守の杜にひっそりと佇む

昭和30(1955)年に香川県で最初に国宝に指定された建造物です。三間社流造の本殿に遺る檜皮葺の屋蓋、ヤリガンナ仕上げの丸柱などは鎌倉時代の建築様式と伝えられ、神社建築として建造年が確認できるものの中で日本最古といわれています。
国宝の本堂をはじめ、仁王門、五重塔などが建つ大寺
大同2(807)年に平城天皇の勅語により弘法大師が開いたと伝えられる本山寺。奇棟造、本瓦葺の本堂は正安2(1300)年の創建で、外観は京都風、内部は奈良風という鎌倉時代に流行した折衷様式の傑作で、国宝に指定されています。
ヨーロッパの古城を思わせる日本農業土木技術史上の傑作
柞田川(くにたがわ)上流を分け入って行くと忽然と現れるマルチブルアーチ式コンクリート造の堰堤は、まるで中世ヨーロッパの古城を思わせる偉容と風格があり、一年を通じて多くの観光客がここを訪れています。その構造形式は日本の農業土木史上、極めて価値が高く、平成18年に重要文化財に指定されました。建造から80年ほど経過した現在でも、観音寺市の農地の水瓶として活躍しています。
「扇の勾配」と呼ばれる日本一美しい石垣
築城から400年の歴史を刻む丸亀城は、日本全国に現存する「木造天守十二城」の1つ。白亜の天守を支える石垣は一番高いところで21m、三層あわせて60mにも達し、美しく弧を描くように反り上がっていることから、「扇の勾配」とも呼ばれています。天守に登れば、春は桜、秋には紅葉と、四季折々の見事な景色を楽しむことができます。