知られざる絶景 高松市

  • line
映画『世界の中心で、愛をさけぶ。』は2004年に公開され、「セカチュー」という言葉とともに、瞬く間に社会現象になりました。
今回は映画のロケ地となった高松市庵治町を作品の印象的なシーンと重ね合わせながら、巡ってみました。
庵治町へは高松の市街地から、国道11号線を屋島方面へ向かい、県道36号線を進みます。所要時間は約30分。四国本土最北端に位置する半島で、山々と瀬戸内の多島美が織りなす景色が魅力です。
最初に向かったのは、「純愛の聖地 庵治 観光交流館」です。劇中では主人公・サクの良き理解者であった“重じい(しげじぃ)”が営む「雨平写真館(あまひらしゃしんかん)」です。作品のなかで何度も登場している場所だけあり、そのレトロな佇まいを目にすると、感慨深いものがあります。
もともとは映画の撮影用に建てられたオープンセットの1つでしたが、撮影後に一度取り壊されたあとに「純愛の聖地 庵治・観光交流館」として復元されました。
現在、写真館としての外観はそのままで、中の展示室では、主人公のサクと恋人のアキが乗ったスクーターの実物のほか、撮影当時の資料を無料で見ることができます。ロケ地マップもあるので、ぜひチェックしてください。
なお、公開当時、恋愛成就を願って「皇子神社(おうじじんじゃ)」(後述)にかけられた南京錠が、ここ観光交流間に移設されています。これを見れば、いかに庵治がロケ地として賑わっているかが感じられます。
庵治・観光交流館を出て目と鼻の先には、劇中にたびたび登場している街の一角が見えてきます。撮影時は、この一角に先ほどご紹介した『雨平写真館』が建てられていました。
ここは、監督の行定 勲(ゆきさだ いさお)氏がこだわった撮影ポイントだといわれています。海沿いに出てみると、対岸には源平合戦古戦場で知られる屋島が見えてきます。
 
交差点を反対に向かって歩いていくと小さな商店街があり、サクとアキがショーウインドウ越しにウォークマンを眺めた「谷商店」があります。
ウォークマンは作品を切なく盛り上げるキーアイテム。サクとアキがいた同じ場所に立てば、映画の中の二人が目に浮かぶようです。
続いて、県道36号線を海岸沿いに進んでいきましょう。
船が連なる漁港一帯では、白血病で倒れたアキがタクシーで運ばれていくのを、サクが走って追いかけるシーンなどが撮影されました。
撮影当時と変わらない景色が残っており、劇中のシーンを追想することができます。
その道沿いにあるのが「専修院」。ここでは、サクとアキが通う高校の、校長先生の葬儀が撮影されました。
 
とても風情のある建物ですが、それもそのはず。築150年以上の古い建物なのです。
  • ※現在は観光交流館に設置されているフェンスをご利用ください。

    ※現在は観光交流館に設置されているフェンスをご利用ください。

さらに道なりに進むと、右手に「皇子神社」が見えます。
石段を上りきると、小高い丘の広場があります。広場にはブランコがあり、サクとアキがこれに乗って語り合った場所。劇中でも象徴的に使われているだけあり、絶対に外せないポイントです。映画の公開以降、訪れた人たちによってブランコ近くにあるフェンスに南京錠をかけるのが、流行りとなりました。南京錠の数があまりにも増えたので、現在では観光交流館に移設されました。
丘から下を見渡せば、漁港全体が視界に入ります。映画のシーンを思い出しながら穏やかな漁港の風景に目をやれば、なんともロマンチックな雰囲気に浸ることができました。
広場とブランコがある皇子神社は、映画の公開後に恋愛成就の祈願で訪れる人が増えたそうです。
皇子神社を出て、海岸沿いをさらに進みましょう。道の先端に差しかかると見えるのが、「王の下防波堤」。海の先へ突き出るように伸びていく、見晴らしのいい場所です。
この防波堤では、サクとアキが夕日を眺めながら語り合うシーンが撮影されました。
潮風を感じながら目にする海は、心癒される絶景スポットです。雰囲気を味わいながら、ここで少し、のんびりと時間を過ごしてみてもいいですね。
劇中には登場していませんが、お腹が空いたら、通ってきた県道36号線を高松市街地に戻る途中にオススメのお店、「珈琲あるぷす」があります。ドライブの途中に利用できる、山小屋風のオシャレな喫茶店です。地元の旬の魚を使った、絶品料理が味わえるお店なのです!
香川県が誇るブランド魚・オリーブハマチを使った「オリーブハマチ刺身定食」と、新鮮なシラスを使った「あるぷすの釜揚げシラス丼」を注文してみました。
オリーブハマチのお刺身は、弾力あふれる歯ごたえ。ひと口噛むとさっぱりとした脂が広がって、思わず頬がほころびます。10月〜12月までしか味わえないとあって、この時期に訪れる機会があれば、絶対に味わいたい一品です。
一方の「釜揚げシラス丼」は、これまたうま味たっぷり! 食べごたえがあります。卵の黄身をかき混ぜれば、なんとも贅沢な味わいに。
いかがだったでしょうか? 今回は、高松市庵治町に足を運び、映画『世界の中心で、愛をさけぶ』のロケ地をたどってみました。
庵治町にはロケ地の他にも、穏やかな海と島と山々、そして漁村など見どころがたくさんあり、その風景に心癒されます。日常を忘れ、のんびりと過ごしてみませんか。
 
 
-----------
純愛の聖地 庵治 観光交流館
開館時間 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日 火曜日(火曜日が祝日の場合は開館、翌月曜日に休館)
住所 香川県高松市庵治町5824番地4
電話番号 087-871-1700
http://www.aji-shashinkan.com/
令和4年3月下旬以降については、高松市観光交流課観光エリア振興室にお問い合わせください。
電話番号 087-839-2417
-----------
皇子神社
住所 香川県高松市庵治町王の下5916-2
-----------
珈琲あるぷす
営業時間 9:00〜14:30
定休日 土曜日・日曜日・祝日
住所 香川県高松市庵治町156-36
電話番号 087-871-4446

同じテーマの記事

当サイトでは、利便性の向上と利用状況の解析、広告配信のためにCookieを使用しています。サイトを閲覧いただく際には、Cookieの使用に同意いただく必要があります。詳細はクッキーポリシーをご確認ください。

同意する