香川旅帖 特別編 高松市

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京都出身で「学生の頃から、香川県へ日帰りうどん旅に来ていました」というほど生粋の香川ファン、愛わなびさん。2020 年の「さぬき映画祭」では、初の映像監督作品『UDON KNOW?』がショートムービー部門グランプリを獲得。ゆるキャラならぬ“ツルキャラ”「うどん脳」を題材に、たった5分の映像のなかで、香川愛あふれる世界観を見せてくれました。彼女が作品に込めた熱い想いと、香川県に魅了され続ける理由とは?

レンタカーで日帰り香川旅に行くのは「関西の学生あるある」かも!

一 愛わなびさんは『UDON KNOW?』を手がけられる以前から、香川県へよく遊びに来
られていたそうですね。香川を好きになったきっかけは、なんだったんでしょう?

学生の頃、レンタカーを借りて香川に行き、うどん屋さんを何件か巡って帰るという小旅行をよくしていました。最初はたしか、19歳の時だったかな。
初めて食べた香川のうどんに「うどんってこんなに美味しいの?!」と価値観が180度変わり、うどん一杯の安さにも驚いて…。それから、香川もうどんも大好きです。
私のまわりに瀬戸内海の島旅を楽しんでいる友達もいたので、香川にはずっと親近感を感じていました。

一 京都と香川は、遠すぎる距離でもないですしね。では、そうやって香川との関わりを深めていくなかで、うどん脳を題材にした映画を撮ろうと思い立ったのは?

さぬき映画祭の前年、瀬戸内国際芸術祭に遊びに行ったんです。そのとき、うどん脳さんがやっているイベントをたまたま見に行きました。 ひと目見て「かわいい〜!」と衝撃を受けて写真を一緒に撮ってもらったんです。
うどん脳さんは、シュールさもあって可愛くて。今後何か一緒に出来たらいいのになと思ったのがきっかけです。
 

撮影に関わってくれた人たちのために、グランプリを絶対取りたかった!

一 作品を拝見させていただいて、とてもテンポのいい作品だな、と感じました。そしてそのテンポを作っているのが、作中に登場する「うどん脳あるある」なのかな、と。
面白いですよね。あれは、うどん脳さんから、「あるあるが溜まっている」と聞いて形になったものです。
『休憩が大変(カラーコーンに寄りかかる)』
『化粧が顔につく』
『足が飛ぶ』など…

さぬき映画祭のコンペティションは、映像の長さの規定があるので、どれを使用するかも非常に悩んだのですが、撮影中に偶然生まれた「うどん脳あるある」も入れたりしました。
『動物に愛される』というあるあるは、偶然うどん脳さんにわんちゃんが寄ってきたところを撮影していたものでした。今振り返っても色々な思い出が出てくるのですが、グランプリまでいただけたのは、撮影に関わってくれた地元の方々のおかげだと本当に思っています。
主人公のお父さん役、お母さん役も地元の方だったり。お客さん役がどうしても必要なシーンがあったのですが、うどん脳さんや私のTwitter で「撮影に参加してくれる人を募集しています」と呼びかけたら、たくさんの方が応えてくれました。
また、ロケ地探しも手伝ってもらったりと、地元の方々の温かさに感動して涙が出そうになったことが何度もあります。


一 地元パワーでみなぎっているから、あれだけ親しみを感じられる作品なんですね。

私自身、「どうすれば地元の人の心に届くかなあ」と常に考えていました。
さぬき映画祭の当日は、自分に関わってくださった方々に恩返しするためにも、「絶対グランプリを取りたい!取るぞ!」という気持ちで 作品のフライヤーを来場された皆さんに配っていたのですが、地元の皆さんが「作品を観ておくね」と笑顔で受け取って下さり、嬉しい気持ちになりました。
グランプリを取ることができて、本当に良かったなと思っています。取れなかったらどうしようと考えてばかりの2日間でした。

作品のフライヤーを置いてもらいたくて、高松の中央商店街のお店を巡りました。

一 映画祭で高松に来られて、記憶に残っている思い出は?

映画祭の期間中は、「TEN to SEN」というゲストハウスに泊まっていたのですが、内装もとてもおしゃれで、手頃な価格で宿泊できました。作品のフライヤーを置いてもらえそうなところを探していたときも助けてくださって。お知り合いのいろんな飲食店さんを教えてくださいました。なかでも瓦町にある「おでん ゆう」さんは、店主さんたちが気さくに話しかけてくれて、フライヤーもお手洗いに貼って下さったり。一人で行ったけれどたくさんお話して帰りました。


一 高松の中央商店街は、一人飲みも安心してできる場所が多いですよね。

そうだと思います。私が行ったお店も、オープンな雰囲気の方ばかりで楽しかった記憶があります。


 

いま一番行ってみたい場所は、豊島(てしま)。写真を撮りに行きたい!

  • 撮影:増田好郎

    撮影:増田好郎

一 愛わなびさんは、お仕事柄、感性というものを大事にされると思うんですが、香川県で魅力的に感じた場所はどこでしょうか?

真っ先に思い浮かぶのは、「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館」ですね。初めて香川に遊びに来たときに立ち寄ったのですが、外にもオブジェがあって、ロケーションまるごとアートを感じれるところに感動しました。中に入っても、静かさのなかに威厳を感じる雰囲気で。
その他には香川県庁舎も好きですね。端正でカッコいいなあ、と。


一 さすが、日帰り旅に来られていただけあって、いろんなスポットをご存知ですね。

まだまだ行ってみたい場所ばかりなんです。もちろん小豆島も直島も素晴らしいけど、いまは豊島の「豊島美術館」に行ってみたいと思っています。

一 豊島だったら、レンタサイクルで島を回ることもできますしね。

そうなんです。豊島の写真をSNSなどでよく見かけるのですが、道路越しの海の景色は絶景ですね。写真を撮ったり、素敵な景色を見るのが好きな人にはオススメだと思います。





 

香川を満喫するなら、2泊3日は欲しい!

一さて、そんな旅の通である愛わなびさんに香川旅プランをお聞きしたく。

はい、2泊3日でゆっくり旅をしたいですね。1日目はもちろん、朝からうどんを食べたい。
私のオススメの店は3つあって、「山内うどん」さんと、「がもううどん」さんと、「うどんバカー代」さん。特に「山内うどん」さんは、自然豊かな場所にあって雰囲気も素晴らしいのと、天ぷらが美味しいです。
そして、タ方になったら温泉でリフレッシュ。さぬき映画祭のときにファンの方から教えてもらった「仏生山(ぶっしょうざん)温泉」は建物がモダンで素敵でした。館内でゆっくり本を読むこともできます。

2日目は島旅でスタート。
小豆島、直島は高松港から船に乗って1 時間くらいで行けますし、豊島には高松港から約35分で行くことが出来ますし。
私は瀬戸内国際芸術祭で小豆島へ行ったのですが、船の上から見える海の景色が、とてもきれいでした。時間が許す限り、島旅はぜひ体験した方が楽しめるかなと思います。
タ方くらいに島から戻ってきて、夜には高松の「鶴丸」さんのカレーうどんを食べにいきたいです。最後もやっぱりうどん。
3日目の最終日は高松の街でゆっくり過ごしたいですね。高松駅の近くに古い倉庫をリノベーションした「北浜アリー」というお洒落な場所があります。その中にあるカフェにも行ってみたいです。
香川には行きたい場所がたくさんありすぎて時間が足りないぐらいです。


 

そこでしかできない経験、そこでしか食べられないもの。ささいなことで心は満たされる

一 いま、東京で暮らされているわけですが、都会にいるからこそ感じる地方の良さって、どんなところですか?

そこでしかできない体験をしたり、そこでしか食べられないものを食べたりするのは、価値あることだと思っていて。そういうささいなことで、心って満たされたり、癒されたりすると私は思っています。
地方にないものが都会にあるように、地方にしかない宝のような食べ物、時間、景色、空気などがあると思うんです。
そのなかでも、香川は景色もよくて、本当に心が癒される場所だと思います。街の空気も穏やかで、気軽に島まで行けるなんて、最高の土地だと思います。
こうして話していたら、私が豊島に行きたくなってきました(笑) 。これからも香川でお仕事ができる機会があったらいいなと思いますし、プライベートで遊びにもいきたいなと思っています!





 
【取材後記】
「さぬき映画祭では撮影に関わってくれた地元の方のために、絶対にグランプリを取りたかった」。そう語る愛わなびさんの想いには、とにかく熱いものを感じました!
今回のインタビューや作品『UDON  KNOW?』を通して、「地元の人間以上に、香川県への愛」を表現することができるんだと、素直に感心しました。
彼女が魅了された香川の景色を、ぜひあなたも見に来てください。
【プロフィール】
愛 わなび(あい わなび) 女優/クリエイター
京都府出身。女優として作品への出演のほか、自ら映像作品の演出をするなど、多方面での才能を発揮し活躍中。
 
・主な受賞歴
■ミスSNS2019準グランプリ
■さぬき映画祭2020 ショートムービー部門 グランプリ
 
・主な出演歴
■映画
「アクトレス・モンタージュ」主演
「ブレイブ-群青戦記-」
「映画に行く日」
■ドラマ
NHKBSプレミアム 横溝正史 金田一耕助シリーズ「華麗なる野獣」
テレビ東京「死役所」
■CF
au 意識高すぎ!高杉くん「貯杉先生、登場」篇
イオンカード「カードな欅坂」篇、花王/ロリエ など多数。
 

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